2017年3月14日火曜日

私の誕生日の朝の夢

夢の中で私は、30才くらいの女の人と、楽しげにおしゃべりをしていました。
女の人が急ににっこり笑いながら、「ねえ、ねえ、今って夢だと思う?現実だと思う?」と聞きました。
「もちろん、夢にきまってる」と、答えると、私の手をぎゅっと握りしめました。
「ほら、夢だってこんなにリアルなんだよ。」と言うと、手を握ったまま一緒に空中をに飛び上がり空を飛んでいました。
頬にあたる風の感触、手の温もりに驚いていると目の前に深くエメラルドグリーンの海がひろがっていました。
「今度は海!!一緒に潜ろう!」
私たちは、海のなかに吸い込まれていきました。生温い水の感触に包まれ、夢ってこんなに現実的だったかしらと、不思議な気持ちに浸っていました。すると、私の顔をじっと見て、女の人はもどかしそうに言いました。
「だからね、現実も夢も大して違わないの。死ぬことなんて、ずっと夢を見ているようなもの。恐くなんてないのよ。だって、夢だってこんなに、気持ちいいでしょ。あっ、そろそろ帰る時間になっちゃった。早く帰りなさいね。でも、私の事、絶対忘れないでね。今日の事忘れないでね。」
突然、激しい風が巻き起こり、流されたあと、私は、夢から覚めました。
大好きな患者さんや友達や恩師を亡くして、メソメソしている私自身が造り出した夢なのかもしれないけれど、夢が覚めた瞬間の不思議な安堵感は今も残っています。
寂しくて悲しいのは、私自身なんだ。天国では、楽しくしているに違いない。そう思うと、少しだけ、楽になりました。